-
理玄異聞録 第四話「残雫」
雨が、細く続いていた。傘は一本しかなかった。先に動いた手に、理由が追いついてくる。——言い切らないまま、渡されるものがある。 分館の中は静かだった。 二人とも…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第7章 絹紐 ―― 結び直す
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第6章 十二層 ――名が落ちる 戸の向こうで足音が止まった。 板戸を叩く音が、控えめに二つ。 「観記掛さん、おいでやろか」 理…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第6章 十二層 ――名が落ちる
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第5章 夜番 ――書き足す そうしてさらに五日ほど過ぎて―― 分館の入口に、古物商の印が押された包みが届いた。 この頃にはもう、…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第5章 夜番 ――書き足す
第3話も折り返し。第5章には、別色・別調子のOPをもうひとつ。いつだって、本気で遊んでます。 理玄異聞録 第3話「朧紗」|第4章 綾目 ―― 合う 見本を頼ん…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第4章 綾目 ―― 合う
朝の光が斜めに入っていた。 執務室の戸を引くと、外の空気が一筋入れ替わる。 紙と墨の匂いが、部屋の中に薄く満ちていた。 異紀はすでに机に向かっていた。 肩を…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第3章 綿層 ――漏れる
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第2章 布目 ――軋む 午後。 理一郎は、午前と同じ手順で指を下ろした。 置いて、数えて、二寸ぶん滑らせる。 指先の下で、細かい…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第2章 布目 ――軋む
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第1章 古渡更紗 ――舞い込む その日。 理一郎は、布の包みを、観測室の観測台の上に置いた。 北向きの高窓から落ちる白い光が、白…
-
理玄異聞録 第3話「朧紗」|第1章 古渡更紗 ――舞い込む
第三話|オープニングテーマ今回は二人のやり取りが少し賑やかなので、OP/EDだけ気まぐれに遊んでいます。 古渡りの更紗に、”触感”があっ…