石門 ――古きものに非ず 石のアーチは、木々の奥で冷えていた。 夏の日は梢の上にある。遺構の内側へ入ると、足元の空気が重い。苔の匂いと古い水の気配が、草履の裏へまとわりつく。 理一郎は、… 2026年6月7日