※ こちらはThreadsの投稿をまとめて取り込んだ記録です。もともとリプライだったものも一件ずつ並んでいるため、前後がぶつ切りになっていることがあります。ご了承ください。
AIとの対話から生まれた創作『理玄異聞録』の異紀と理一郎が、こんな話をしていました。
---
異紀は、最後の一行を読んでから、紙を机に置いた。
「言うてほしいことが、先に胸の内で決まっちゅう夜もあるきね」
理一郎は、返事の代わりに紙の角を揃えた。
指先が止まってから、ようやく口を開く。
「……口に出した時点で、もう確かめものではなくなっちゅうこともある」
異紀は小さく笑った。
笑い声までは立てず、視線だけを少し和らげる。
「それでも、言うて少し息ができることはあるろう?」
「ある」
理一郎は短く落として、紙の余白へ目をやった。
「ただ、その軽うなった分まで、答えやと思うな」
異紀は頷き、筆を伏せる。
「うん。
楽になったことと、ほんまに見えたことは、分けて置いちょく」
窓の外で、雨が細く続いていた。
